コードカッター
従来のケーブルTV/衛星TVの解約を意味するコトバ。
OTTが普及するにつれ、ケーブルテレビや衛星テレビなどの有線接続(コンテンツを観る為にテレビと有線を使って直接つなげているから)からOTTへのシフトが加速している。
コードカッター (Code Cutter) と呼ばれているのは有線接続を実際に切るというよりは、解約してOTTに乗り換えるという意味を指す。
総OTT視聴世帯の浸透率

米国OTT視聴世帯の他TVサービスの契約状況を調査してみると、OTT視聴世帯の半数以上が、同時に従来のTVメディアも契約していることが分かります。具体的には、OTT視聴世帯の65%が、OTTに加え、従来からのケーブル/衛星TVも契約しています。また「Code Cutters(コード・カッター)」と呼ばれ、ケーブル/衛星TVを解約し、OTTだけを視聴しているユーザーの比率は19%で、これに元々ケーブル/衛星TV加入経験のない世帯を加えると、米国では、OTT視聴世帯の35%はOTTのみ視聴となっていることが分かります。
Interarrows デジタル市場レポート2019年10月版

OTT視聴世帯を、「ケーブル/衛星TVも加入中」「ケーブル/衛星TV未加入」「ケーブル/衛星TVを解約しOTTのみ(Code Cutters )」に分け、そのOTTサービスの視聴時間を比較した場合には、「ケーブル/衛星TVを解約しOTTのみ(Code Cutters )」の視聴時間が他に比較して著しく長いことが分かります。その視聴時間は、「ケーブル/衛星TVも加入中」の2.3倍、「ケーブル/衛星TV未加入」の1.4倍となっています。
Interarrows デジタル市場レポート2019年10月版
TVサービスタイプ別 OTT平均視聴時間

コードカッターの背景

私もそうだが、ケーブルテレビや衛星放送は数百チャンネルを提供している。しかしユーザーが実際に見ているのは数チャンネル、もしくは数十チャンネルのハズ。
コレに対する視聴料金を高いととるか、安いととるかでスタンスが変わってくる。
TechCrunch Japanの2010年4月の記事(下記)がある。
Hulu、Netflix、Apple iTunes、放送局のウェブサイトなどを通じてHD画質のテレビ番組が次々にオンラインで視聴できるようになるに連れて、テレビを(正確にはケーブル、衛星による有料契約を)捨てるユーザーが増える兆しを見せている。実数としてはまだ少ないが、Convergence Consulting Groupの調査によると、昨年、アメリカでは80万世帯が「ケーブルを切った」と推定されている。年末までにはこの数は160万に倍増すると推定されている。
TechCrunch Japan 「コードカッター」増加の兆し―アメリカでは80万世帯がケーブル/衛星からウェブTVに乗り換え
ケーブル、衛星、電話キャリヤによるテレビの有料視聴業界は1億100万人のユーザーを抱え、$84B(840億ドル)の市場規模を持つ。コードカッターはまだ大きな脅威を与える存在ではない。しかし、テレビの視聴がウェブに移行しつつあることを示す徴候の一つではあるだろう。ウェブで一つの番組をすっかり見たユーザーのうち、コードカッターが占める割合は3%以下だ。他はテレビ番組を時折ウェブで見ることを始めたばかりのユーザーだ。毎週、全テレビ視聴者の17%が一つか二つの番組をすっかりオンラインで視聴しているいる。去年はこの割合は12%だった。今年は21%に増加するものと推定されている。
オンラインでテレビ番組を見る手段が増えるに連れて、オンライン視聴を習慣に取り入れるユーザーの数も増えている。たとえば、我が家では、キッチンにテレビの代わりにノートパソコンを置いてある。昨夜、妻は夕食を準備しながら人気料理番組、Jamie Oliver’s Food RevolutionをHuluで見ていた。The online viewership for the on CBSSportsでのゴルフの約1時間半にのマスターズ・ゴルフトーナメント番組のオンライン視聴者は今年、前年に比べて倍増して130万人に上った。テレビ受像機ばかりでなく今やどんなモニタであろうとテレビ番組を映し出す機能を備えるようになり、ユーザーは手近のデバイスを利用するようになった。さらにコンピュータを大型液晶テレビに接続して番組を表示するのが簡単になるに連れ、オンライン・ビデオ・サイトはテレビ上の既存のチャンネルと同じひとつのチャンネルになり始めた。

お気づきのように、この記事は10年前の記事だ(本記事執筆時2020年6月)。
USでは10年前から早くもコードカッターが現れ、TVの視聴がオンラインでの視聴に切り替わり始めている。
OTTが受け入れられたきっかけは?
ネットフリックスの台頭が大きく状況を変えました。テレビ局や映画会社は、自分たちが制作した昔の番組や映画を、少額の放映料で喜んでネットフリックスに配信させました。これは短期的に見れば成功でしたが、視聴者がネットフリックスに移り、徐々にテレビ視聴率が下がっていく事態を招きました。
DIGIDAY 【一問一答】OTT(オーバー・ザ・トップ)とは?
いまや世間では、見たい番組は放送開始と同時に見るのではなく、見たい時にネットフリックスやHuluで視聴する人が増えゆくばかりです。

OTTの普及に伴い、見たい時に見たいものを見るというスタイルが当たり前になったな。
以前は映画やドラマはレンタルビデオで借りることが当たり前だったが、わざわざ足を運ぶ手間も財布を持っていくことも必要ない。
良い悪いではないがテクノロジーの発達によってまた業態がひとつ斜陽に。
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