プログラマティックTV広告の普及とハードル

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プログラマティックTV広告と従来型のTVCMは別物

プログラマティックTV広告と従来型のTVCMとは別物として定義しています。

TVCMでは、マーケティング担当者は前回の視聴率を基に「どのくらいの人数が番組を視聴するか」「視聴者はどんな人物像なのか」といったことを予想することしかできません。

一方で、プログラマティックTV広告では、データを活用して個々の視聴者や世帯をターゲットに、それぞれに異なる広告を表示することが可能です。広告枠をただ購入するだけの従来型のTVCMとは対照的です。

したがって、プログラマティックTV広告の普及はこの業界にとってとても大きな意味があります。双方向のスポットCMやABテスト、値下げされたCMを中小企業が購入できる機能などがプログラマティックTV広告によって実現できるためです。

デジタル広告の世界でGoogleやFacebookがこの10年間業界を支配してきたのと同じ手法を、プログラマティックTV広告ではGoogleやFacebook の手を借りずに実行できるようになるのです。しかも透明性ははるかに高くなっています。つまり、プログラマティックTV広告が普及するということは、現在は優位的な立場にあるこの2社にとっては脅威でもあるのです。

OTTman
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GoogleやFacebookはWalled Gardens (ウォールドガーデン) と呼ばれ、デジタル広告は彼らに支配されてきた。ウラを返せば、ウォールドガーデンは自社のエコシステムであるがゆえにブラックボックスであり(例えば、広告表示ロジックや広告配信先の面がコントロールできないなど)、不透明であることは事実。
プログラマティックTV広告がウォールドガーデンに取り込まれなければ、透明性を維持しつつTV局や広告主がコントロールできるほうが良いに決まっている。

現在、プログラマティックTV広告が初期に抱えていた技術的な問題の多くは(もしくは、少なくとも課題とされたものは)解決され、対処されました。今のプログラマティックTV広告の技術では、「どの番組に自社の広告を配信するのか」ということをマーケティング担当者が自在にコントロールできるようになるのです。

子供向けの番組で大人向けの広告が流れることを防いだり、似たような2つのスポットCMを同じタイミングで流さないようにしたりといった、厳密なコントロールが可能なのです。

ではなぜTV業界で、プログラマティックTV広告がなかなか採用されないのでしょうか

TV業界関係者が「この広告はTV向けコンテンツではない」と認識してしまっているケースは多いです。

また、TV局側にまだデジタルへの理解が浸透していないだけでなく、デジタル広告業界もTV側を理解していないケースも少なくありません。

だからと言っても、モバイルやデスクトップ、そして昔ながらのTVがひとつのエクスペリエンスに統合される流れは止まりません。マーケティング担当者が、どのデバイスも同じ価値を持つものとして、全体を網羅した企画を立てるようになるのは時間の問題でしょう。

OTTman
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TV業界およびデジタル広告業界双方ともにまだ、エデュケーションのフェーズであり、業界全体での理解や認知の促進が必要。
統合は時間の問題とはいえ、ドライブさせるためのKeyやタイミングが必要だ。

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